大田区含め東京都内の家賃がなぜ上がる?都心回帰と建築コスト高騰など主な要因を解説

エリアの特徴

ここ数年、大田区を含む東京都内の家賃は、じわじわと上昇が続いています。
それでも、なぜここまで高くなっているのか、具体的な理由までは分かりにくいものです。
実は、都心への人口集中と強い住居需要に加え、建築コストや維持管理費の高騰、新築価格の高止まりによる賃貸シフトなど、複数の要因が重なって家賃を押し上げています。
このコラムでは、東京都内の家賃が上がっている主な要因を整理しながら、単身向けとファミリー向けで何が違うのか、そして今後の賃貸住宅選びでどのような点に注意すべきかを分かりやすく解説します。
これから賃貸を探す方が、無理のない家賃水準を考えるきっかけになれば幸いです。


東京都内・大田区で家賃が上昇している現状

近年、東京23区全体の賃貸マンション賃料は上昇傾向が続いています。
民間調査によると、東京23区のマンション賃料指数は、2022年以降ほぼ一貫して上昇し、2023年には過去最高水準に達し、その後も高い水準を維持しています。
また、全国の住宅価格を示す国土交通省の不動産価格指数でも、東京都の住宅はここ数年で水準が切り上がっており、売買価格の上昇が賃貸市場にも波及している状況です。
このように、東京都23区では、売買・賃貸の双方で「高止まり」の状態が続いているといえます。

東京都23区の賃料動向をやや長い期間で見ると、2010年代前半まではおおむね横ばいでしたが、2013年頃からじわじわと上昇基調に転じました。
その後、2020年前後にかけて一時的な停滞はあったものの、2021年以降は再び上昇ペースが強まり、とくに単身者向けのコンパクトな住戸を中心に高い伸びが続いています。
長谷工総合研究所や各種市況レポートでも、東京23区の平均成約賃料は複数年連続で前年を上回っていることが示されており、短期的な一時要因ではなく、構造的な上昇トレンドとして捉えられています。
そのため、今後も一定の変動はありながら、高い賃料水準が前提となる見通しが強まっています。

東京都内で賃貸住宅を探す方にとっては、区による賃料水準の違いを踏まえて検討することが重要です。
都心部では、単身向け・ファミリー向けともに、東京23区平均を大きく上回る賃料水準となっている一方、周辺部では同じ間取りでも相対的に抑えられた水準となる傾向があります。
また、日本賃貸住宅市場のタイプ別統計では、単身向けよりも広さを確保したファミリー向けの方が、絶対額の賃料だけでなく上昇率も高めに推移するケースがみられます。
こうした全体像を踏まえつつ、東京都内のなかでの大田区の賃料水準や、単身向け・ファミリー向けごとの位置づけを把握しておくと、予算計画を立てやすくなります。

区分 東京23区全体 大田区の位置づけ
単身向け賃料水準 上昇続く中高水準 都心より抑えめ中堅帯
ファミリー向け賃料水準 上昇率やや高め 広さと賃料の均衡帯
今後の賃料トレンド 高止まり継続の見通し 周辺相場連動の上昇圧力


都心への人口集中と強い住居需要が家賃を押し上げる構図

まず、東京都心部への人口集中の背景として、コロナ禍を経ても東京圏への転入超過が続いていることが挙げられます。
総務省「住民基本台帳人口移動報告」では、東京圏や東京都の転入超過数は一時的に縮小したものの、その後は増加に転じ、直近まで一極集中の傾向が続いていることが示されています。
また、東京都の推計人口は令和6年4月時点で約1,413万人と、公表資料でも区部を中心に増加が続いています。
こうした人口・雇用の集積が、東京都内の賃貸住宅需要を底堅く支えている状況です。

次に、共働き世帯の増加も、都心や都心近接エリアへの住居需要を強めています。
国土交通省が示す共働き・子育て世帯の住宅選好に関する調査では、世帯構成にかかわらず「通勤の交通利便性」が居住地選択で最も重視される項目とされています。
加えて、内閣府や各種研究機関の分析でも、ポストコロナ期にはテレワークの一部定着と同時に、雇用機会の多い大都市部に近い場所へ住みたいという志向が再び強まっていることが確認されています。
働き方の変化と家事・育児の両立ニーズが重なり、日々の移動時間を抑えられるエリアほど賃貸ニーズが集中しやすくなっています。

さらに、通勤・通学の利便性に加え、生活インフラが整っていることも、都心近接エリアの賃料を押し上げる要因です。
鉄道網が発達したエリアでは、複数路線の利用や乗り換えのしやすさから、通勤時間の短縮や遅延時の代替ルート確保がしやすく、住宅地としての評価が高まりやすくなります。
加えて、商業施設、医療機関、教育施設などの生活インフラがまとまっている地域では、日常生活の利便性が高く、子育て世帯や単身世帯の双方から安定した需要が見込まれます。
これらの条件を満たす「都心近接エリア」は、供給以上に需要が集まりやすく、その結果として賃料の上昇圧力がかかりやすいのが実情です。

要因 住まい選びへの影響 家賃への結果
都心への人口・雇用集中 転入超過の継続による需要増 人気エリアの賃料上昇
共働き世帯の増加 通勤利便性重視の傾向強化 駅近物件の募集賃料押し上げ
生活インフラの集積 子育て・単身双方からの選好 都心近接エリアの高水準維持


建築コスト・維持管理費の高騰とインフレが賃料に波及

近年は、建築資材価格と建設工事費の双方が大きく上昇しており、賃貸住宅を新たに建てるためのコストが重くなっています。
建設物価指数は、原材料費の高騰や円安、人手不足による労務費上昇などを背景に、ここ数年で大幅な上げ幅となっています。
また、建設業では人材確保や働き方改革への対応も必要となり、賃金水準の引き上げが進んでいます。
こうした建築コストの増加分は、最終的に新築賃貸住宅の募集賃料や更新時の賃料に反映されやすい状況です。

賃貸住宅は完成後も維持管理のための費用が継続して発生し、その水準も上昇傾向にあります。
大規模修繕に必要な足場工事や設備工事では、資材価格や工事費の上昇が続いており、将来の修繕計画に織り込まれる費用が膨らみやすくなっています。
さらに、火災保険料の見直しや固定資産税評価額の変化なども、賃貸住宅を保有し続けるためのコストを押し上げる要因となっています。
結果として、所有者側の負担増を一定程度賃料に転嫁せざるを得ず、更新時や新規募集時の家賃水準を引き上げる方向に働いています。

東京都区部の消費者物価指数は、ここ数年、全国と同様にプラス圏で推移し、持家の帰属家賃など住居関連の項目もじわじわと上昇しています。
建設資材価格や建設工事費がインフレ傾向の中で高止まりすることで、新築住宅や分譲住宅全体の価格水準も押し上げられています。
その結果、購入に踏み切れない世帯が賃貸住宅にとどまり、賃貸需要の底上げと家賃の上昇圧力が続きやすい局面となっています。
物価全体の上昇と建築関連コストの増加が重なり、東京都内の賃料は中長期的に上向きに働きやすい構造になっているといえます。

項目 最近の傾向 賃料への影響
建築資材価格 鋼材など高水準 新築工事費の増加
建設労務費 人手不足で上昇 総工費と修繕費増
消費者物価指数 東京都区部で上昇 住居費の上げ圧力


分譲マンション価格高騰による「賃貸シフト」と新築賃料の高値連動

首都圏の新築分譲マンション価格は、資材費や人件費の上昇を背景に高止まりが続いており、とりわけ東京23区の平均価格は直近でも1戸あたり1億円台後半から1億3000万円台へと上昇しています。
不動産経済研究所などの統計では、発売戸数が減っている一方で価格水準は下がりにくく、実需層にとっては手が届きにくい水準になっていることがうかがえます。
その結果、本来であれば分譲購入を検討していた世帯が賃貸住宅を選ばざるを得ない「賃貸シフト」が生じ、東京都内全体の賃貸需要を押し上げている状況です。
このような流れは、大田区を含む東京都内の幅広いエリアで家賃水準に影響を与えています。

また、新築や築浅の賃貸住宅では、建築コストや土地取得費の上昇分が募集賃料に反映されやすく、周辺相場より高めの賃料設定となることが一般的です。
こうした高水準の新築賃料が周辺エリアの既存賃貸にも比較対象として意識され、更新時や再募集時に徐々に賃料が引き上げられる形で波及していきます。
特に、駅近や生活利便性の高い地域では、新築・築浅物件が市場全体の賃料水準を押し上げる役割を果たしやすいとされています。
そのため、東京都内では築年数が進んだ物件であっても、需要が強いエリアでは大きな値下がりが見られにくい傾向があります。

今後についても、東京23区を中心とした新築分譲マンションの供給戸数は大きく増えにくい一方で、高価格帯の物件が一定数供給される見通しが示されています。
このような状況が続くかぎり、分譲価格の高止まりと賃貸シフト、新築賃料の高値連動という構図は、東京都内の家賃を底堅くする要因になりやすいと考えられます。
その中で家計を守るためには、家賃負担割合を手取り収入の目安内に抑えることや、広さや立地条件の優先順位を整理し、無理のない範囲で条件を取捨選択する姿勢が重要です。
大田区を含めた東京都内での住まい探しでは、相場の動きと自身の家計状況を客観的に見比べながら、長期的に無理のない賃料水準を意識して検討することが求められます。

ポイント 内容 家賃への影響
分譲価格の高止まり 新築マンション平均1億円超 購入断念層の賃貸シフト
新築賃料の高水準 建築コスト上昇分を転嫁 周辺既存物件の賃料押し上げ
供給戸数の減少傾向 新築供給縮小と需要集中 東京都内賃料の底堅さ持続

まとめ

東京都内、とくに大田区を含むエリアでは、今後も家賃上昇が続く可能性があります。
だからこそ「今の家賃は適正か」「数年後も無理なく払えるか」を早めに整理しておくことが大切です。
当社では、最新の家賃相場データと家計の状況を踏まえながら、エリア選びや間取り、設備グレードの優先順位を一緒に整理し、無理のない住まい探しをサポートしています。
漠然とした不安や「まだ具体的に決めていない」という段階でも構いません。
賃貸のプロとして丁寧にご説明しますので、まずはお気軽にご相談ください。

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